西森さんと瑠愛くん。(仮)
「……ストーカー、ってヤツ? 母さんの……ソイツに、父さんは、命を奪われた」
永峯君の頬に、堪えきれなくなった涙が、一つ、二つと零れ落ちる。
「……母さんは、自分を責めた。この容姿がいけないのかって、肉たたきで自分の顔を殴った事もあった。
母さんに似た俺たちに、同じ思いをさせまいって、腫れ上がるまで叩かれた事もあった」
今でもきっと、自分を責め続けてる。
外に出るのが怖くて、だから、家で洋服を作って、ネットで売ってるんだ・・・。
差し出したハンカチで涙を拭いて、彼はそう続けた。
「……本当は、人目を忍んで暮らしたい。学校に行けば、あぁやって騒がれる。言わないけど、多分姉さんや芽吹ちゃんも、同じような思いをしてる」
そうしないのは、心配かけたくないから。
苦労して苦労して、やっと幸せを掴んだかと思った矢先に絶望の底へ蹴落とされた、母さんへの、せめてもの親孝行。