西森さんと瑠愛くん。(仮)
 
 微かな違和感の正体を考えあぐね、頬に手をあてる。


 ・・・あ。ちょっと太った。

 そうか。イジメが落ち着いて、多少食欲が戻ったから。


 きっと、そうだ。


 うんうん、と納得し、頷いていると、ドアがノックされた。

「はいっ!」

 永峯君が戻って来たのかと、慌てて返事をする。

「え? あれ? 芽吹じゃないの?」

 椿さんでも、芽吹ちゃんでもない女性の、訝しげな声が聞こえた。

「すみませんっ、今出ますっ!」

 まだ履いていなかったスキニーを引っ付かんで脚を通し、急いで腰まで上げる。

 滑りの悪いファスナーと、なかなか噛み合わないボタンを無理やり閉めて、ドアを開けた。


 すると、目の前に。


 椿さんと永峯君と芽吹ちゃんを足して3で割った顔な、ショートボブの美人が立っていた!

 こんなチンチクリンが洗面所使っててごめ(以下略)
 
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