西森さんと瑠愛くん。(仮)
「あっ! もしかして、るぅの友達?」
ショートボブ様は、快活に笑いながら、出てきた私を見た。
「ははははいっ! ななななな永峯君の同級生の西森ですっ!」
動揺を隠しきれないまま自己紹介し、頭を深く下げる。
「そんなご丁寧に挨拶される身分じゃないから」
ケラケラと笑いながら、私の肩を掴み、ショートボブ様は頭を上げるよう促した。
「私、月葉って言うの。瑠愛の姉。ごめんね、着替えか何かしてた?」
脱衣かごに詰まれた衣服に気付いて、彼女──月葉さんは、大丈夫?という顔をした。
「いえ、もう終わりましたっ」
私がそう答えると、ふわっと笑って、なら良かったと呟いた。
あぁ、笑った顔、椿さんにそっくり・・・。
ぼんやりと、悲しい気持ちになった。無意識に月葉さんのその笑顔に見いってしまう。
「あれ、月葉ちゃん」
その時、永峯君の声がして、ハッと我に返った。
「よっ、弟! 元気にしてた?」