スキってなに?-another story-
「松下ってさ…」

「はい。」

「人見知り?」

分かってることだけど、
聞いてみた。

「はい。人見知りです。」

だよね。
なんで話しかけてこないんだろう?

「なんで?」

何話していいかわからないからかな?
それとも作り方がわからないから?

「どうやって友達作ればいいか
分からないから?」

「それは、あると思う」

やっぱ、そうか。
そんなこと深く考えなくていいのに。

「なーんだ、そんなことか。
今俺ら話してるじゃん?これって、
もう友達ってことじゃん?
俺はそう思う!」

お?
俺、今良いこと言った?
自分言うのもなんだけど、
良いこと言ったわー。

「じゃあ、私たちはもう友達?」

「うん、友達だよ!俺たち!」

「そっか、なんか嬉しいな」

こいつ笑ってる。
笑ってるところ初めて見た。
笑うと結構可愛いじゃん。
って俺なに言ってんの?

「俺、初めて松下の笑ってる姿見た。」

もっと俺と話して笑ってほしいな。
だって笑って話すの楽しいから。

「あのさ、いつも私どんな表情してる?」

言っていいのかな?
まぁ…。

「えっとね、笑ってない真顔に近いよ」

あ、つい笑っちまった。

「ちょ、今笑って…」

「笑ってない笑ってない」

こいつ面白い。
これから松下と話せば
楽しくなるかもしれない。

「そこ!さっきからうるさいぞ!」

あ、やべ。
声でかかったかな?

「すいませーん」

先生、うるさ。
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