スキってなに?-another story-
キーンコーンカーンコーン

そして、授業終了のチャイムが鳴る。

終わったー。
今日は、時間短かったな。
やっぱ話してると楽しいから
授業の時間が短く感じるわ。

「篠宮くんのせいで先生に
怒られちゃったじゃん。」

「え?俺のせい?だって話すたびに
いつも変な顔してる松下が
いけないんじゃん」

変な顔?
なに言ってんだ俺?
松下は変な顔なんかしてないのに。

「私はいつも普通だから。」

あーあ、怒っちゃったかな?
まぁ、今日笑った顔見れて
ちょっと嬉しかったかも。

「ねぇ、篠宮くん。
どうしたら真顔じゃなくなる?」

急になんだ?
こいつ。
真顔じゃなくなる方法かー。
やっぱ人と話すことかなー?
こいつのためになんでこんなに
考えてんだ?

「んー、やっぱり人と話すと
笑顔になれると思う。
だって話してると楽しいじゃん?」

「うん。」

真剣に聞いてくれてる。
なんか嬉しいな。
てか、友達待ってる。
行かないと、な。

「だからこれからずっと
俺と話してれば楽しいと思うよ!」

「うん、そうだね!」

「んじゃ、俺友達待ってるから帰るね。
また明日な美那」

俺は、椅子から立ち上がった。

「うん、また明日ね篠宮くん」

あれ?名前で呼んだの気づいてない?
ちょっと呼んでみたんだけど。
てか、やっぱ笑顔可愛いな。
もっと俺と話して笑ってほしい。

俺は手を振って教室を出た。

「おい、優太。あの女の子誰?」

「ん?なんでもないよ。」

「そうかー?」

なんだ、こいつ。
気持ち悪りぃ。

てか、さっき俺名前で呼んだのに
松下は俺のこと篠宮って。
俺のことも名前で呼んで欲しい。

「ちょ、悪りぃ!忘れ物。
待ってて。」

「お、おう。ほんとお前って
忘れっぽいな。」

「ごめんごめん。」

俺は、教室に戻る。
まだ松下いるかな?

あ、いた。
俺は、松下の前に立つ。

「ね、さっき篠宮くんって言ったよね?
俺、名前で呼んてほしい。
それ言い忘れてたから言いに来た。じゃ」

ほんとは忘れてたからじゃない。
今、言ってほしいって思ったから
言いに来た。

そして、俺はすぐ教室をでる。

「ごめんごめん。行こうぜ。」

「おう。」



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