えりな END.
「大阪に何かあったの?」



「え?いえ」



あたしは焦って答えてしまう。



「あははっ 何?知り合いでもいた?」



「いえ、知り合いなんて…」



あたしは 話しを変えようと質問する。



「佐伯さんは 彼女は?」



「いないよ。それどころか弟に結婚も先越されたばっかでさ。
一年前に彼女とダメになって以来 彼女ができない俺に気を使って 2、3ヶ月前に籍入れたくせに 昨日聞かされたんだぜ?
情けないよ」



「そんな… 情けないなんてないですよ」



「いいよ 遠慮しなくても。ほんっと裕馬のやつ いい加減にフラフラしてたかと思ってたら ちゃっかり結婚して そのうえ しっかり就職までしやがったよ。
あっ裕馬って弟ね」



あたしの耳は おかしくなったのだろうか



「裕馬君?」



あたしの様子を変に思ったのか佐伯さんは言う。



「まさか 裕馬と知り合い?な訳ないか…」



「あ、あ、あ…あの… あたし…」



あたしは言葉が何も出て来ない



「知り合いなの?」



佐伯さんは 急に真剣な顔をして聞いてきた。



「知り合いとゆうか メールをずっとしてたくらいで…」



あたしがそう言うと はあぁっと胸を撫で下ろす仕草が見えた



「そっか〜 良かった。
まさか客だったのかと思ったよ。
それないよね。
家だって こっちの子だしね。
でもメールって いつ知り合ったの?」



「はい、あの… 修学旅行の時 大阪に行ったとき偶然」



「そうなんだ。
まぁ 昔の事なんて関係ないよ。
えりなちゃんとは こっちでこうして知り合えたし 友人の少ない俺の話し相手になってよ」



「はい。あたしで良ければ」



あたしは 笑えてる?
佐伯龍さんは裕馬君のお兄さん…
佐伯裕馬ってゆうのが本名だったんだ。
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