天の音

「お前が持ってた荷物は、此処にある。悪いが中身を調べさせて貰った。見たところ、旅の途中のようだが…」

(荷物?勝手に見たの?)

「そうですか…あの…私は何故ここに?貴方様は?」

「お前のことは、巡察に出ていた隊士が見つけ、連れて来た。京へ入って来る道で倒れてたそうだ。」

(京へ…?)

「倒れてた?」

「そう報告があった。覚えていないのか?何があったか。」

「…はい…」

「そうか…もしかしたら頭を打っているせいで思い出せねぇのかもしれねぇ。医者の見立てでは、問題なかったんだ。少し休めば思い出せるかもしれねぇな。」

そう言うと男性は、突然立ち上がり障子を開けた。

「「うわぁっ‼︎」」

開け放たれた障子から、人が転がり込んで来た。

(⁈‼︎)




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