天の音

「姫音だろ?違うのか?」

キョトンとした顔で話しかけてくる姿は、とても親しみを感じる。

「知り合いなのか?平助。」

さっきの怒鳴り声には驚いたが、男性が口を開く。
平助と呼ばれた青年は、キョトンとしたままだ。
どう説明して良いものか迷っていると、

「土方さんが女の子を連れ込んだって聞いたからわざわざ覗きに来たのに…」

平助と呼ばれた青年の上に乗っていた青年が口を開く。
身体を起こし、座り直す。

「あ‼︎⁈」

土方さんと呼ばれた男性は再び、形相を変え睨む。

「総司、てめぇは巡察の時間じゃねぇのか?」

「行ってますよぅ。皆さんで。」

「何だと?お前は堂々とサボリかぁっ⁉︎行って来い‼︎今すぐに行って来い‼︎」


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