天の音

「ええええっ‼︎今から面白くなりそうなのにですかぁっ⁉︎」

総司と呼ばれた青年が口をとんがらせる。頬を膨らませる姿は幼子のようだ。

「ダメだ。お前は随分とサボリ癖がついてるみてぇだからな。巡察に出ねぇなら、今晩の宴には出せねぇな。」

眉間にシワを寄せて土方が溜息をつく。

「宴?別にいいですよ?お酒が飲みたいわけでもないですしね?」

悪びれる様子もなく、ニコニコ座ったままの総司という男性。

「ほぅ…そうか。なら近藤さんにそう言うとするか。」

と土方が告げたとたん、総司という男性の顔色が変わった。

「近藤さん?近藤さんが帰って来るんですかっ⁉︎」

さっきまでの落ちついた様子はどこに行ったのだろうか、土方に詰め寄る。

「あぁ…先発の隊士が帰営した。近藤さん達は夕刻には到着するようだ。」
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