嘘と秘密~空白の恋~
良からぬ噂
屋上の重い扉を開けた瞬間、見た光景。


美羽に抱きつく阿久津美音と談笑する阿久津真琴と佐田亮平。


「遅いじゃないのー。芹沢くん」


勝ち誇ったような笑みを浮かべて言ってくる阿久津妹。


「遅かったね」なんて言いながら美羽も微笑む。


全く嫌がってないな…。


ま、当たり前か。


妹は仲いいし、それ以前に女だし。


大事なことだから言っておくけど。


俺だって抱き付いたこと、あんまりないんだからな!!


分かっててやってるんだろうな。


阿久津妹は。


確信犯だから。


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