嘘と秘密~空白の恋~
「あ、芹沢くん。いつの間に。もう教室に居なかったから、てっきり屋上にいるかと思ってたのに」


あ、そうだった。


姉とは同じクラスだった。


忘れてた。


というか、忘れたかった。


「そう言えば、何で遅かったんだ?」


佐田がさりげなく訊いてくる。


「後輩に絡まれてさ」


絡まれたという言葉には語弊があるかもだけど。


一言で済ましたいから別にいいか。


「モテるねー。芹沢恭也は」


妹がニヤニヤしながら言う。



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