嘘と秘密~空白の恋~
その笑顔、やめんかい。


そしてフルネームで呼ぶな。


ふと美羽に目をやると。


さっきまでの笑みはなく、真顔でいる。


ちょ、怖いから。


「…え?それ、おかしくない?新入生ってもう帰ったはずだけど?」


姉が首を傾げて訊いてくる。


美羽がやれば、イチコロなんだけどなー。


って、違う。


「何かひとりだけいたんだよ。で、その子に音楽室まで案内してたとこ」


美羽の表情が戻った。


よかったー…。


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