嘘と秘密~空白の恋~
「え、そんな。謝ることなんてないのに。むしろ感謝してる」


全員が頭にはてなマークを浮かべた。


「あたし、最近幸せボケしてる気がして。恭也はずっと傍にいるって過信しちゃってて。…だから刺激になること言ってくれてありがと」


美羽はペコリと頭を下げた。


予想もしない切り返しに全員がポカーン。


美羽はやっぱり考えていることが大人だな…。


改めて感心。


「もう遅いし、帰ろ?みんな」


美羽の一言で俺たちは我に返る。


気づけば5時。


部活も何もない日の門限は早い。


俺はリュックを担ぐ。


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