嘘と秘密~空白の恋~
するとさっきよりも鋭い視線が返ってきた。


「…何してんの?…ありえない。何で一緒にいるのよ」


「本郷さんがたまたま倒れて…」


「そんなこと聞いてるんじゃない!!」


聞いたこともないような大声に体がビクッとなる。


「保健室まで運んできたんでしょ?そしたら、その倒れる前から一緒にいたわけなんでしょ?」


「…あ…、屋上で一緒に話してた」


「みこと亮平が忠告してやったのに、芹沢は近付いたんだ?」


「ちがっ…」


「は?違わなくないでしょ?話しかけられたら無視すればいいものを相手したのはあんたでしょ?」


軽蔑の目を何度も向けてくる妹。


「美羽のこと、考えた?こんなことしたら泣くのは美羽だよ」


そんなこと…分かってる。


「わざわざ注意しに来てくれたわけ?」


俺の開き直ったような態度に妹は驚いている。


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