嘘と秘密~空白の恋~
やられっぱなしは嫌なんで。


「俺の中ではいつでも美羽が一番だから。そんなこと、お前に言われなくたって分かってる」


すると妹は唇を噛んだ。


「分かってるなら、行動にうつせよ。全然、伝わってこないし」


妹はそう言うと、くるりと踵を返した。


「あと…、美羽を泣かせたら許さないから。徹底的に痛めてやる」


姉妹そろって同じようなこと、言うんだな。


そこら辺だけ血の繋がりを感じた。


俺の頭で本郷さんと美羽が交互に浮かんでは消え、浮かんでは消え…。


自分の言った言葉に自信が無くなっていく。



< 154 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop