嘘と秘密~空白の恋~
話なんてもちろん聞いていない。


というより、話していたことすら知らない。


俺、重症だな…。


「悩みごとでも?」


…この子に話したところで解決するわけでもないし…。


「ううん。…学年がひとつ上がると大変なんだなーと考えててさ」


全く考えてもないことをサラッと言う。


思ったことすらない。


頭が回りすぎて怖い。


「そりゃそうですよ!!まず勉強内容が違うじゃないですか」


当たり前のことのように言う本郷さん。


確かに、当たり前のこと言ってたかも。


というか、言ってた。


はぁ…。


気付かれないようにため息をつく。


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