嘘と秘密~空白の恋~
すると妹がキッと俺を睨んできた。


「あんたが、のうのうと過ごしている間に美羽は一生消えない傷を負ったの!!あんたがどんなに美羽に謝っても消えない傷がね!!どこまで美羽を傷付ければ気が済むの!!…精神的にあらだけ追い込んでおいて、今度は肉体的になんて…!!あんた、ほんとに人なの!?」



妹が俺を怒鳴る。


行き先のない感情がすべて俺にぶつかる。


「…何とか言えよ」


威圧するように佐田が言う。


言いたくても言えない…。


今の気持ちを表せるような言葉が見付からない。


「…ごめん…」


「みこに謝るんじゃなくて、美羽に謝ってよ!!…許してもらえないと思うけど!!」


興奮状態の妹。


「…美羽はどこに…?」


「○△病院だけど。…美羽は今は誰にも会いたくないって言ってるから。行かないほうがいいと思うけど」


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