嘘と秘密~空白の恋~
俺はノートと姉を交互に見た。


「とりあえず開いてみて。どこかのページに授業内容じゃないものが書いてあるから」


俺は言われた通り、ノートを開いてぱらぱらとする。


化学反応式が目に入る。


と、化学反応式とイオン式の間に色ペンも何も使わずシャーペンだけで書いてあるページがあった。


「その部分、ちぎって」


「え?」


「いいから。別に気にしなくていいから」


俺はその部分だけを破る。


するとノートを奪うように取られた。


「じゃ、私はこれで」


にこりともせずに言われ、姉はそのまま部屋を出ていった。


それに続くように妹と佐田も出ていった。


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