嘘と秘密~空白の恋~
これが何回か続く。


「じゃあ」


しびれを切らしたかのように月城さんが口を開いた。


「あたしは名乗ったのに、君は名乗ってないなと思って」


間抜けな声が漏れそうになった。


まさか一緒なこと考えてるなんて。


こんな些細なことでも嬉しくなる。


…でもこのことが大したことじゃないのはちょっと悲しいけど。


「俺は芹沢恭也。よろしくね」


うん、上手く笑えた。


すると月城さんも俺につられたように笑った。


「何部なの?」


「サッカー」

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