嘘と秘密~空白の恋~
「…俺を避けている理由を教えて。…それを聞いたらもう帰るから」


負けじと粘る。


「…ざわくんには関係ないことだから。気にしないで」


つっきーは腕を振り払おうとしてくる。


振り払われないようギュッと掴む。


「…痛い…」


つっきーが呟くように言った。


「あ、ごめん」


咄嗟に手を離した。


するりと抜ける腕。


もう掴めない。


つっきーは俺と対面する。


真っ直ぐにあの瞳を俺に向けてきて。


< 69 / 192 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop