嘘と秘密~空白の恋~
俺はフェンスへと近付く。


そしてそれを通して、グラウンドを見下ろす。


そこにはサッカーボールが転がっていた。




『美羽を泣かせたら許さないからね』。


阿久津姉の言葉が俺の脳内で何度もリピートされる。


心配しなくたって大丈夫。


そんなことは絶対にしない。


俺はグラウンドへ笑みを残すとそのまま校舎内へと入る。


もしかしたら軽く受け止めすぎていたのかもしれない。


約束は…。


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