エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「そんなわけないでしょう。私たち、そういう関係じゃないんだから!」

そこに、まるでホストのように物腰の柔らかいウエイターが、2人のお茶と白桃タルトを運んできた。

さやかの前にタルトを置こうとするウエイターに、「それこっち」と、すかさず修正し、ウエイターが伝票をテーブルに置く前にタルトにフォークを入れた。

「うーん、美味しいけどちょっと甘いな」

口の中でもそもそするタルトを評価する。

「話、続けていいかしら?」

「あ、ごめん。それで相手は裕也?」

「そう」

「で?」

「昨日、妊娠していることがわかったから、すぐに彼と会って話したの」

「そしたら?」

甘いとケチをつけながらも沃野はバクバクとタルトを口に運ぶ。
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