エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
いつものように一緒に下校して、児童公園を抜けようとした時だった。

児童公園なのに児童の姿はなくて、陽気な赤や黄色に塗られたジャングルジムやブランコがやることもなくつまらなそうだった。

「遠距離恋愛じゃ、だめ?」と聞こうとしてやめた。

2人の関係は恋愛ではないのだから。

すがっても私たちの関係はきっとどこまでも平行線に違いない。

告白して付き合ったけど、結局は片思いのままだったのだ。

「ねえ、お願いがある」

さやかは沃野の手を握って足を止めた。

「なに?」

「彼女のうちに、もう一度キスしてくれない?」

少しだけ間があって、沃野はさやかの正面にまわり、彼女の頬にかかる髪を耳にかけて唇を合わせた。

図書館でふいにキスされて以来のKIss。
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