エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
この男の子の唇はどうしてこんなに優しくて、甘いのだろう。

さやかは切なくて、切なくて、息ができなくなりそうだった。

「特に好きじゃなかったのに、今まで付き合ってくれて有難う。これからは友達として付き合ってくれる?」

「もちろん。さやかのこと、大好きだし」

「友達として?」

「友達として」

沃野君は優しいけど、残酷だ。

さやかは沃野の手を握って再び歩き出した。

西日の橙色が涙で滲んだ。
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