エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
しかし当然ながら子供は裕也とさやかの行いによって誕生した命であり、裕也の遺伝子を受け継ぐ子供だ。

そう冷静に受け止めようと思ったものの、その時は「少し考えさせてくれるかな」と言うのがやっとだった。

「いったい何を考えるの?」とは、さやかは聞けなかった。

父親になるという覚悟を決めるのか、

おろしてほしいと言うための時間かせぎなのか、

産んでも結婚はできないというのか、

結婚はしないけど、産むなら認知はするというのか、

いったいあなたは何を考えるというの?


自分の子供ができたという事実の前にして、答えを迷う裕也に軽く失望し、その反面「考えたい」という言葉に彼の覚悟を期待する自分がいた。

さやかは裕也が好きなのだ。
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