エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
Cルームにつくと案の定の葵以外は揃っていて、リサが「またギリギリね」と笑う。

誰のせいだよ、と言いたいのをこらえて席に着く。

と、え? ええっ? 目の前の顔に気づいて声を上げそうになったけど、鋭い目つきで「何も言うな」とけん制されたので、寸でのところでこらえる。

「今日からうちのチームを手伝ってくれることになった三崎沃野さん。リンダの後輩で、ものすごく優秀だということだから楽しみね。沃野さん、一言どうぞ」

リンダとはアメリカの本社から来たジェネラルマネージャーでプロダクトマネージャーのリサの上司である。

上から目線のリサの紹介をうけながら沃野君が挨拶をする。

「三崎沃野です。社員でも派遣でもなくて一時的なサポートです。それからこのチームのサポートではなくて、リンダのサポート。よろしくお願いします」

そっけないというか傲慢にも思える挨拶だったけど、最後ににこっとキラースマイルを放出し、一瞬にして感じ悪さを蹴散らしたうえ、チームメイトの女子たちからは「カッコいい」というささやきまで引き出した。

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