エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
さやかから妊娠を告げられ「考えさせてほしい」と言って別れた裕也だったが、冷静になってみれば「考えたい」とはおかしなはなしである。

子供の命を託されているのはさやかであって、産むも産まないも、裕也が考えてどうなるものでもない。

考えたいではなくて、頭を整理させてほしいが正解だ。

妊娠を告げられてから、この問題をそうやって回避しようか、そればかりを考えていた裕也だったが、さやかに「産みたい」と真っ直ぐに気持ちをぶつけられ、ようやく「自分の子供」についての問題だと認識し始めた。

かなりの時差だ。

結婚も子供も、まだ先のことだと思っていた。

予想外の出来事に気持ちの焦点を当てるには少し時間が必要なのだ。
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