エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「お待たせいたしました」

そこに物腰は柔らかだが、まったく場の雰囲気を察しないウエイターが、華やかでボリューミーなタルトをリサの前に置き、満足げに微笑む。続けてダージリンとコーヒーを置いてから「ごゆっくりどうぞ」と、しゃなりと去って行った。

「何がごめんなさいなの?」

怒気をさらにアップさせてリサが詰め寄る。

「さやかがいるのに君たちにも……」

「君たちにも?」

リサは右を、つまり葵を見た。

葵は裕也をまっすぐ見つめている。
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