エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「ごめん」

「もういいよ。さやかさんのこと、本当に大切に思っているのね。彼女のためにやったことだから堪忍してあげる。その代り、冷蔵庫にビール補充しておいて。キリンプレミアム1ダースね」

葵が話をしてくれたことにホッとした。

でも、それが自分のために無理してつくろってくれている明るさだということはわかっていた。

「彼のこと、好きだった?」

「うん」

葵の即答に、沃野の胸はちくんとする。

「すごく?」

返事が戻ってくるまでに少し間があった。
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