エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「ミーちゃん!」

猫は一般的に水が嫌いだ。

葵はあわててバッグを肩から外して放り投げ、「沃野君、そいつぶっとばしといて!」と叫びながら池に向かって走っていった。

はたしてこの池はどれくらい深いのか、などと考えている余裕はなかった。

ただ、水の中に入った瞬間に体がずしりと重くなり、コートを脱がなかったことを後悔した。

幸い、池は葵の顎までの深さだったし、ミーちゃんが頑張って猫かきしている(猫も泳げるということを初めて知った)場所もそれほど遠くなかった。
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