エリート上司と甘い秘密～彼の正体は私の義弟!?～
この日は打ち合わせばかり３本も続けて入っていて、次に席に戻ってきたときには午後の１時半になっていた。

空腹でお腹がきゅるるとなった。

昼はサンドイッチでも買ってまたデスクでランチか、と考えながら再びメールをチェックするとまたリンダからメールが入っていた。

嫌な予感と共に短い英文を読む。

リンダは日本語を話すことにはほとんど問題ないが、日本語で文章を書くのは苦手だ。

読み終えて、朝の不安がやはり的中したかと気が滅入る。

「なぜあなたは約束を守れないのかしら？」

リンダの不快感が滲み出てくるような短いテキスト文。

ディスアポインティッドの単語が葵をへこませる。

リサは、葵が１２時までに報告書を送ると書いたらしい。

今まで打ち合わせの予定が詰まっていたことは共有のスケジュールを見て知っているはずだ。

そう知っていて、そうだと知っているからこそそんな返事をわざわざ送ってくれたわけだ。
< 16 / 173 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop