エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
葵は週末の朝にコンビニに行くのが結構好きだ。

いかにも今日は休みだ、という気分になるからだ。

コンビニまではわずか5分の散歩。

でも見どころがいろいろある。

まずは庭で放し飼いされているゴンタという雑種犬に柵ごしに挨拶し、次に30代の若夫婦が営む青果店に並ぶ季節の野菜や果物をチェックする。

そしてもうすぐ10月になるというのに、家の塀いっぱいに蔦を絡ませ満開を迎えている朝顔を見てから、児童公園でたいてい3頭一緒にゴロゴロしている猫にミャーオと声をかけ、その隣のパン屋さんから漂ってくる甘いバターの香りを思い切り吸い込む。

その香りを胸に残したまま、その隣の隣のコンビニへ。

店内に入るととりあえずお菓子やお弁当、パンのコーナーを物色し、何も欲しいものがないことを確かめてから牛乳だけ買って店を出る。

平日なら会社に行っているこの時間、近所をぶらぶら歩くのは何と解放感があることか。

ああ、週末感に満ちていてなんて素晴らしい、とか思いながら葵は家に向かう。

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