エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
小走りでデスクに戻る際、リサが席について呑気にコーヒーなんか飲んでいる姿が見えたので文句の一つでも言ってやろうかと思ったけど、そんな余裕はなかった。

必要なリンクと企画案も一緒に付けて沃野に送った。

時計を見ると2時45分になっていた。これから1週間分のデータを引き出して分析し、それを1時間もかけないでまとめるなんてことができるのだろうか。

いくら沃野が優秀だといっても、だいたい今日が出社初日でデータの引き出し方とか知っているんだろうか。

3時20分。
沃野からエクセルにまとめられたレポートが送られてきた。

「すごい……」

デイリーでの数字の分析だけではなく時間ごとの分析に過去との比較と今後の予測、表やグラフもわかりやすく挿入されている。

あとは英語交じりの雑な日本を直せばいいだけだ。

3時50分
葵はリンダに完璧な報告書を送信し、念のためにリンダに「今、レポートを送りました。遅くなってすみません」と声をかけてからリサの席に向かった。

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