エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
第二章 ヘルプ!
なんだかすっかりやる気が失せた。

今日が締め切りの仕事もないので、残った仕事はすべて明日回しにし、葵は珍しく定時ジャストに会社を出た。

自分がやったわけではないが、リンダに完璧なレポートを送ったことで、今日の最大の仕事が終わった充実感もあり、久しぶりにスカッとした気分だった。

それにしても沃野がいなければ絶体絶命、レポートが間に合わなかったどころかリンダが4時に早退することさえ知らなかった。

「まったくすごい弟登場だ」

葵は沃野に「サンキュー」と心の中でつぶやいた。

途中、近所のスーパーでビールを1パック買ってまっすぐ家に帰ると、なぜか沃野がすでに家にいた。
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