エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「そう、だけど」
「ふーん」

彼は私を見ながらつまらなさそうな顔をした。

歳は私と同じくらいか、もうちょい若いか。

山下智久を少しさっぱりさせた感じで、白いシャツとジーンズというシンプルな格好がよく似合っている。

「あの、うちに何か用ですか?」
「いや……」

ルックスの良さはさておき、怪しい。

最近はいきなり襲いかかってくる変態も多いので、容姿にまどわされないよう葵は慌てて家のドアまで歩き、ドアチャイムを鳴らしてから自分で鍵を開けた、つもりだが同時に中からドアが開いた。

「いらっしゃい!」

やけに愛想よく母が迎えてくれたが「いらっしゃい」じゃなくて「お帰りでしょう」と、つっこうもうとしたら、「おはようございます」と後ろで声がした。振り向くと山下君似の、怪しげな男子が立っていた。
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