エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
またやられた。

「まずいなあ」と、心の中でつぶやく。

「もう一日休めばよかったなあ」と心の中でぼやく。

緊張したときにはまず息を大きく吸いなさないと、母親から子供の頃に教わったアドバイスを試みる。

すぅーっと息を肺いっぱいに吸い込んだところで、「お待たせしてすみません」と、沃野が流暢な英語で詫びながら入ってきた。

「え?」と驚く葵を尻目に、沃野はそのまま滑らかに自己紹介をし、さらに葵のことも紹介もしたのち、打ち合わせを進めた。

相手の要望を聞き、会社のシステムを利用して一緒に何ができるかの案をいくつか説明したうえで、お互いのメリット、デメリット、さらにこれから開発可能なシステムを導入してのアイディアなども提供した。

相手は「そんなこともできるのか」と驚いていたし、それは葵も同じだった。
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