エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
葵は別に隠れる必要もないのだが、とっさにサンドイッチを片手に持ったまま、顔を下に向けて隠した。
けれど葵に気が付いたミーちゃんが甲高い声で「ミャー」と鳴き、彼がこちらを振り向いた。
「あれ? 葵さんじゃない。ここでランチ?」と近づいてきたのは沃野だった。
ミーちゃんも一緒についてくる。
「沃野君こそ、なんでここに?」
動揺する葵と違って「また以心伝心?」と沃野は笑った。
一方葵はそんな些細なジョークもするっと流せない。
「いい加減、冗談はやめてよ。なんでここにいるの?」
「なんでって、この場所が好きだから。ここ、僕の思い出の場所なの」
「思い出?」
「そう」、と言って沃野君は図書館を見上げた。
古びてクラシカルな趣のある白い建物の壁には、夏の名残で蔦の葉がまだ頑張ってしがみついている。
けれど葵に気が付いたミーちゃんが甲高い声で「ミャー」と鳴き、彼がこちらを振り向いた。
「あれ? 葵さんじゃない。ここでランチ?」と近づいてきたのは沃野だった。
ミーちゃんも一緒についてくる。
「沃野君こそ、なんでここに?」
動揺する葵と違って「また以心伝心?」と沃野は笑った。
一方葵はそんな些細なジョークもするっと流せない。
「いい加減、冗談はやめてよ。なんでここにいるの?」
「なんでって、この場所が好きだから。ここ、僕の思い出の場所なの」
「思い出?」
「そう」、と言って沃野君は図書館を見上げた。
古びてクラシカルな趣のある白い建物の壁には、夏の名残で蔦の葉がまだ頑張ってしがみついている。