エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「こいつ、うちに連れて帰ったらダメかな」
「私はいいけど、お母さんがダメっていうよ」
「あやめさん、猫嫌いなの?」
「ううん。猫も犬もイタチも熊も豚も、動物は何でも好きよ。でも、デス・フォビアなの」
「なに、それ?」
「私が14歳の時にお母さんの大親友が亡くなって、お母さんすごくショックを受けてた。姉妹みたいに仲良しだったの。お父さんが一生懸命なぐさめたけど、いつまでも落ち込んでいた。そしたら次にお父さんが急に病気になって死んじゃって、さらにその3か月後にはお母さんの相棒だった犬のポンタが死んじゃった。ポンタは9歳でまだ元気だったのに、まるでお父さんの後を追うように、やっぱり急に具合がわるくなって逝っちゃった」
その頃の母は、気づくとぽろぽろ涙をこぼしていつも泣いていた。
このままではいつか母もしんでしまうのではないかと葵が不安になるほど、母は大好きな人や愛犬の死に打ちひしがれていた。
「でね、もうこれ以上大好きな人や動物が死んじゃうことに耐えられないって。人はともかく、動物は寿命が短いから必ず先に逝っちゃうでしょ。だからもう動物を家族に迎えるのはいやなんだって」
「そっか。でもどうせあやめさんは……」
「え、母さんは何?」
「いや、何でもない」
「それに猫は犬と違って土地につくものだし、うちに連れて帰るのが幸せとも限らないよ」
「そんなことないよ」
「私はいいけど、お母さんがダメっていうよ」
「あやめさん、猫嫌いなの?」
「ううん。猫も犬もイタチも熊も豚も、動物は何でも好きよ。でも、デス・フォビアなの」
「なに、それ?」
「私が14歳の時にお母さんの大親友が亡くなって、お母さんすごくショックを受けてた。姉妹みたいに仲良しだったの。お父さんが一生懸命なぐさめたけど、いつまでも落ち込んでいた。そしたら次にお父さんが急に病気になって死んじゃって、さらにその3か月後にはお母さんの相棒だった犬のポンタが死んじゃった。ポンタは9歳でまだ元気だったのに、まるでお父さんの後を追うように、やっぱり急に具合がわるくなって逝っちゃった」
その頃の母は、気づくとぽろぽろ涙をこぼしていつも泣いていた。
このままではいつか母もしんでしまうのではないかと葵が不安になるほど、母は大好きな人や愛犬の死に打ちひしがれていた。
「でね、もうこれ以上大好きな人や動物が死んじゃうことに耐えられないって。人はともかく、動物は寿命が短いから必ず先に逝っちゃうでしょ。だからもう動物を家族に迎えるのはいやなんだって」
「そっか。でもどうせあやめさんは……」
「え、母さんは何?」
「いや、何でもない」
「それに猫は犬と違って土地につくものだし、うちに連れて帰るのが幸せとも限らないよ」
「そんなことないよ」