エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
しかし気づけば1秒キスの沃野の唇の柔らかさや、葵を抱き留めた腕や握られた手の感触を思い出し、あわててしまう。

エクセルもワードも開いたままで、一向に文字や数字が埋まらない。

「ああ、だめだ。仕事が進まない……」

葵が午後の仕事に戻り、そんな風に悶々とその日のノルマと自分に課した業務に取り組んでから20分もして、リサがランチから戻ってきた。

時間にゆるい外資系ではありながら、一応ランチタイムは1時間となっている。

しかしリサはたいてい15分以上はたっぷりランチタイムを取って、さらにその後10分はしっかり化粧室で顔を整え直す。

つまりこの日、リサがランチを終えて最終的にデスクに落ち着いたのはランチに出てから1時間半が過ぎたころで、その頃ちょうど、やはり葵の20分後にデスクに戻った沃野からの衝撃的なメールがリンダとリサ、葵の3人にあてて届いた。


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