エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
第四章 葵の恋
夜の7時5分前に会社の1階ロビーに降りた葵は、待合の椅子に座っていた裕也に走り寄った。
「ごめんなさい。遅くなっちゃって」
「遅くないよ。5分前じゃない」
歯並びのよいきれいな歯を見せて、裕也は笑った。
「ようやく葵さんとご飯に行けて嬉しいな。どこ行きます? 葵さんはお酒は飲めるの?」
「はい、一応」
「それじゃあ、つまんだり飲んだりできる和食屋でいいかな」
“一緒にご飯に行けて嬉しい”なんて、なんでこんなこと裕也君はさらりと言うのだろう。
言われた葵の方は、その言葉をさらりと受け流せずにドキドキして裕也の隣を歩きながらも、もしや沃野がどこかから見ているのではないかとあたりを見渡した。
沃野の姿は見当たらない。やっぱり冗談だったのだ。
「どうしたの? 誰か探してる?」
きょろきょろして落ち着かない葵の様子に気づき、裕也が立ち止った。
「あ、なんか知り合いに似た人がいたけど勘違いだったみたい。ごめんね、行こう」
そう取り繕って葵は先を促した。
「ごめんなさい。遅くなっちゃって」
「遅くないよ。5分前じゃない」
歯並びのよいきれいな歯を見せて、裕也は笑った。
「ようやく葵さんとご飯に行けて嬉しいな。どこ行きます? 葵さんはお酒は飲めるの?」
「はい、一応」
「それじゃあ、つまんだり飲んだりできる和食屋でいいかな」
“一緒にご飯に行けて嬉しい”なんて、なんでこんなこと裕也君はさらりと言うのだろう。
言われた葵の方は、その言葉をさらりと受け流せずにドキドキして裕也の隣を歩きながらも、もしや沃野がどこかから見ているのではないかとあたりを見渡した。
沃野の姿は見当たらない。やっぱり冗談だったのだ。
「どうしたの? 誰か探してる?」
きょろきょろして落ち着かない葵の様子に気づき、裕也が立ち止った。
「あ、なんか知り合いに似た人がいたけど勘違いだったみたい。ごめんね、行こう」
そう取り繕って葵は先を促した。