エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「あー、って何よ。人の話、ちゃんと聞いていなかったんでしょう、まったく。ちゃんとあいさつしなさい」

母に睨まれ「葵です」と頭を下げた。

「沃野です。よろしくお願いします」

人見知りなのか無愛想にそれだけ言うと、すぐに母に向き直り「じゃあ僕はこれで。一旦家に戻って荷物運んできます」と立ち上がった。

「そうね。早いうちに済ませちゃった方がいいわね。何時ごろになるかしら?」

「多分2時くらいには」

「オッケー。それじゃあ気を付けてね」

慌ただしく去っていく未来の弟の背中を見送りながら考える。

荷物を運んでくるってどういうことだろうと。
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