エリート上司と甘い秘密～彼の正体は私の義弟!?～

ファントムの契約をなんとかうまく乗り越えたいと急にバタバタし始めたリンダのイラつきはリサに向けられた。

「あれはどうなった」「どこまで進んでいるか報告しろ」「企画書のポイントが甘い」などなど、細かい注意や確認事項、指示が次から次へと送られてくる。

今までなら面倒なことはすべて葵に振ってしまえば済んでいたが、ファントムの件以来、リンダは「It’s your job」と念を押すので、そうそう葵に押し付けられなくなった。

自分は今まで葵にすべて丸投げしておきながら、リサはリンダに仕事を指示されるたびチェッと舌打ちし、「次から次とうざいわね」と文句を口にした。

さらにリンダから「この仕事をちゃんとハンドルできなければ葵ではなく、あなたにスキルアップ・トレーニングにいれなきゃならないかもね」と警告されたことを思い出し、「まったく何なのよ」と、再び舌打ちした。