エリート上司と甘い秘密～彼の正体は私の義弟!?～

一方葵はリンダの攻撃がリサにむいたため、日々の嫌がらせから解放されて、これまでになく自分の仕事に集中できた。

おかげで残業することもほとんどなくなった。

まっすぐ家に帰るときには母に代わって食事を作り、いつでも早く家に戻っている沃野と一緒に夕飯を食べる機会も増えて、本当に家族のような雰囲気になってきた。

沃野と家でご飯を食べるときは不思議と一番の共通ネタである会社の話が出てこない。

出てきたとしても「今日、昼何食べた？」とか「会社の近くに変な銅像見つけた」といった、たわいのない話ばかりだ。

じゃあ23歳のアメリカ帰りの将来弟になるかもしれない沃野と、26歳の生真面目で年の割には純情な、将来姉となるかもしれない葵が何を語るかと言えば、公園のミーちゃんの話や近所の猫や犬の話、あとは旅の話が多い。