エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
「でもなんでトナカイなの?」

「トナカイと一緒に露天風呂に入っている夢を3年前に見てから、トナカイに会うのが憧れなの」

「へえ、その夢ユニーク。いいなあ、俺も夢でいいからトナカイの背中流したい。トナカイと一緒に夢でも風呂に入れたなんてウやラマしい」

「沃野君はどこ行きたいの?」

「ボリビアのウユ二塩湖はちょと見てみたい。あとチリにある湖とか。マーブル模様のスゲーきれいな洞窟があるんだ」

沃野がきれいだという洞窟はどんな美しさなのだろう。

葵は沃野が行きたくなるほどきれいな洞窟に興味が湧いて、部屋からiPadを取ってきて裕也に渡した。

「その湖の写真出して」

少しして裕也が「これ」、と差し出した洞窟の写真の美しさに葵は驚いた。

「凄い。こんな信じられない場所が、世界にはきっとたくさんあるのね」

「本当は人間が足を踏み込めないようなところが一番すごいんだろうけど」

2人はそれぞれ未知の光景に意識を飛ばし、うっとりと宙を見た。
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