エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
ブブブブブ……。

そんな意識をテーブルの上の機械的なスマホの振動音が現実に引き戻した。

葵が目の前のスマホを確認すると、裕也からのメールだった。

「今日は残業です! でも明日は葵さんとの約束があるので速攻仕事終わらせます。予定通り7時で大丈夫ですか?」

まだ会社に残っているらしい。

携帯のアドレスを教えてから、裕也は個人的なメールをちょくちょくスマホに送ってくるようになった。

男性からのまめなアプローチが葵にとっては新鮮で、心が弾む。

葵は「お疲れ様!予定通りで大丈夫です。楽しみにしています」と返信を打ったものの、読み直してから「お疲れ様です。予定通りで大丈夫です」と変えて送信した。

沃野が「やけに真剣にメール打つね」と、不審な顔で様子を見ている。

「そう? いつもこんな感じだけど。へらへらしてメールする方が変じゃない」

「そう? 真剣度3割増しになってるように見えるけど」

鋭い。当たっているので何も言えずに葵は食事に戻った。
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