エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
裕也のキスは、その爽やか系な雰囲気とは相反して最初から濃厚だった。

いったん唇を離し、「僕、葵さんのことすごい好きになっちゃった……」と熱っぽくつぶやいてから、次はもっと激しく強引に唇を合わせた。

突然の想像を超えた裕也の強烈なキスに葵は頭がぼーっとして、腰がくだけそうだった。

驚きと、そしてちょっとした嫌悪感と興奮が紙一重となって襲いかかるという初めての感覚は、結局は興奮が勝っていった。

そして裕也はするりと葵の無防備な体に手を回し、「ねえ、したくなっちゃった」と耳元で囁いて、混乱している葵の肩を抱いて歩き出した。

茜色を空いっぱいに広げた夕日がきれいだったが、鑑賞している余裕はなかった。
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