エリート上司と甘い秘密~彼の正体は私の義弟!?~
気づくと白い小さなラブホテルの前で、裕也は葵の首筋に軽くキスをして、「いいよね」と言いながら返事は聞かずに中に入っていった。
初めてラブホテルに足を踏み入れ、葵の心臓はバクバクしていた。
ほぼ「すること」が使用目的のホテルは、いくらオシャレに作られていても、やはり淫靡な感じはぬぐえなかった。
葵とは逆に、裕也は慣れた様子で部屋に入ると、後からついてきた葵の肩に手をかけた。
しかし葵はここまでついてきておきながら、「こんなに軽く身を任せていいのか」と、キングサイズのベッドを横目で見ながら先に進むことをためらっていた。
と、そこで、それぞれのバッグの中でスマホがブルブル震えた。
2人は顔を見合わせ、裕也はいったんは無視しようと試みたが鳴り止まないのでスマホを取り出した。
葵もスマホを取出し、裕也が「もしもし」と電話に応えている間にメールを読んだ。
そして「あやめさん、事故。病院に行きます」とだけ書かれた沃野からの短いテキストを読んで、まるで催眠術にかかっていたかのように、ぼうっとしていた頭が現実に引き戻された。
しかし、「えっ!」と先に声をあげたのは葵ではなく裕也だった。
「わかった……すぐそっちに向かうよ」と話を終えると葵に向き直り「こんなときになんだけど、ちょっと急用で帰らなきゃ。ごめん」と謝った。
「いいの。私も母が事故にあったみたいで、早く戻らなくちゃ」
結局2人は、淫靡な世界に突入する寸でのところであわただしくホテルを後にした。
初めてラブホテルに足を踏み入れ、葵の心臓はバクバクしていた。
ほぼ「すること」が使用目的のホテルは、いくらオシャレに作られていても、やはり淫靡な感じはぬぐえなかった。
葵とは逆に、裕也は慣れた様子で部屋に入ると、後からついてきた葵の肩に手をかけた。
しかし葵はここまでついてきておきながら、「こんなに軽く身を任せていいのか」と、キングサイズのベッドを横目で見ながら先に進むことをためらっていた。
と、そこで、それぞれのバッグの中でスマホがブルブル震えた。
2人は顔を見合わせ、裕也はいったんは無視しようと試みたが鳴り止まないのでスマホを取り出した。
葵もスマホを取出し、裕也が「もしもし」と電話に応えている間にメールを読んだ。
そして「あやめさん、事故。病院に行きます」とだけ書かれた沃野からの短いテキストを読んで、まるで催眠術にかかっていたかのように、ぼうっとしていた頭が現実に引き戻された。
しかし、「えっ!」と先に声をあげたのは葵ではなく裕也だった。
「わかった……すぐそっちに向かうよ」と話を終えると葵に向き直り「こんなときになんだけど、ちょっと急用で帰らなきゃ。ごめん」と謝った。
「いいの。私も母が事故にあったみたいで、早く戻らなくちゃ」
結局2人は、淫靡な世界に突入する寸でのところであわただしくホテルを後にした。