エリート上司と甘い秘密～彼の正体は私の義弟!?～

恐ろしいほどのグッドタイミングで電話をしたのは青山さやかだった。

さやかが裕也と出会ったのは１年前。

入社１年目で会社の受付をしていたさやかが先輩女子に誘われて、半分義理で参加した外資系企業同士の合コンがきっかけだった。

職場では民放の女子アナみたいに明るく、可愛いく、はきはきとして感じのよいさやかだが、正直合コンのような場所は苦手で、テーブルの端に座って地味にビールを飲んでいた。

２時間だけ付き合い、義理を果たしてさっさと帰ろうと思いながらグラスのビールを空けたところで、裕也が新しいビールのグラスを持って話しかけてきた。

「退屈そうだね。もしかして人数合わせで誘われた？」

さやかが「ええ、まあ」と素直に答えると「僕も。合コンとか苦手なのにさ」と言って、笑った。

ぽつぽつとお互いに自己紹介からはじめ、徐々に裕也に好感を抱いたさやかは２次会に参加する代わりに２人でバーに行き、それから急接近した。