この気持ちをあなたに伝えたい
最愛は何度か伏貫に女の子らしい喋り方にするように言われたことがあった。
最愛からしたら、余計なお世話で、そんなことを指図されたくない。
「女だったら女らしくしたらどうなんだ? 他の男達が聞いたらがっかりするぜ?」
「別にどう思われてもいい」
勝手にがっかりさせておけばいい。
この喋り方になったのはあることがきっかけでこういう喋り方にするようになった。
だけど、最愛はそれをいちいち教える気はない。
「もういいだろう? あんたなんか友達でも何でもない」
「くっ!」
背を向けると、伏貫が壁に拳を叩きつけた。拳がこっちに来ないとは言い切ることができないので、怪我をする前にその場から離れた。
伏貫は熱意のある人に見えたが、実際は優柔不断で自分勝手なところがあった。
ちなみに最愛の喋り方は高校の頃から男っぽい喋り方にしている。周囲の人間が抱くイメージを払拭させたいから。女の子らしい、可愛らしい女の子が意外な一面を見せることで信頼できる者とできない者を大きく見分けることができると知ったため。
結局は自分の理想通りの人しか好きになることができない。
溜息を吐きながら家に帰ろうとしたとき、携帯電話が鳴った。相手は皆葉深香(みなばみか)からだ。
高校一年生からの友達でときどき二人でカラオケへ行ったり、食事をしたりする。彼女と同じ大学が決まって互いに喜んだ。
『最愛? 今どこにいるの?』
「えっと、学校の中にいる」
『本当に?』
本当だったら、とっくに学校を出ている時間。
『まだ学校にいたの?』
「ああ・・・・・・」
最愛からしたら、余計なお世話で、そんなことを指図されたくない。
「女だったら女らしくしたらどうなんだ? 他の男達が聞いたらがっかりするぜ?」
「別にどう思われてもいい」
勝手にがっかりさせておけばいい。
この喋り方になったのはあることがきっかけでこういう喋り方にするようになった。
だけど、最愛はそれをいちいち教える気はない。
「もういいだろう? あんたなんか友達でも何でもない」
「くっ!」
背を向けると、伏貫が壁に拳を叩きつけた。拳がこっちに来ないとは言い切ることができないので、怪我をする前にその場から離れた。
伏貫は熱意のある人に見えたが、実際は優柔不断で自分勝手なところがあった。
ちなみに最愛の喋り方は高校の頃から男っぽい喋り方にしている。周囲の人間が抱くイメージを払拭させたいから。女の子らしい、可愛らしい女の子が意外な一面を見せることで信頼できる者とできない者を大きく見分けることができると知ったため。
結局は自分の理想通りの人しか好きになることができない。
溜息を吐きながら家に帰ろうとしたとき、携帯電話が鳴った。相手は皆葉深香(みなばみか)からだ。
高校一年生からの友達でときどき二人でカラオケへ行ったり、食事をしたりする。彼女と同じ大学が決まって互いに喜んだ。
『最愛? 今どこにいるの?』
「えっと、学校の中にいる」
『本当に?』
本当だったら、とっくに学校を出ている時間。
『まだ学校にいたの?』
「ああ・・・・・・」