この気持ちをあなたに伝えたい
　月日が経ち、最愛が高校二年生に進級したときのことだった。最愛は同じクラスになった一人の男子生徒と関わりを持つようになった。
　彼の名前は餌打渉（えうちわたる）。古霜先生とは昔からの知り合いで、そのことを知ったのは二年生に進級して数週間後だった。

「最愛、本当に可愛いよな。週にどれくらい告白をされるんだ？」
「告白なんかされないよ」

　そんなことを言っても、彼は最愛が嘘を吐いていると思っている。
　そんな最愛に気づかず、餌打は話そうとしたとき、クラスメイトの男子が餌打に話しかけた。

「お前、よく喋るよな・・・・・・」
「混ざるか？」

　餌打が誘おうとすると、男子はすぐに断った。

「そうしたいとこだけれど、先生に仕事を頼まれているんだ」
「残念だな」
「また今度な・・・・・・」

　男子が教室から出て行き、餌打がさっきの話の続きをしようとした。
　しかし、タイミング悪く先生がやってきて、クラスメイト達の問題集を提出するように指示をした。
　餌打はだるそうに問題集を集めて、職員室の先生の机の上に置いて、教室へ戻るときにさっきの話の続きをした。
　
「圭もだぜ」
「・・・・・・何？」

　餌打が何の話をしているのかわからないので、最愛は何も言葉を発さなかった。

「さっき、話していただろ？　最愛がどれくらい可愛いか」
「仲が良いの？」
「まあな」

　彼と古霜先生の家が近くて、何度も家に遊びに行っている仲だ。

「昔からの知り合いなんだ」
「そうなの！？」
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